2016.01.20

失敗しない会社名(商号)の5つの付け方と決め方

失敗しない会社名(商号)の付け方

会社設立を行う際には必ず会社名(商号)をつける必要があります。商号は会社の顏になるので会社設立時において大事な決定事項となります。

商号とは、会社には名称を付ける必要があり、その名称は定款に記載され登記されます。この会社の名称を「商号」といいます。個人事業を行う場合は会社ではなく営業表示の「屋号」というものを付けることができます。

後で会社名(商号)を変更することも可能ですが、一度会社名を付けたら基本的には変更する場合は少ないといえます。

【目次】
1.もし、会社名(商号)を失敗したら
2.商号のルールを知ろう
・商号に利用できる文字について
・商号に利用できない文字について
・同一住所に同じ社名がある場合も登記できない
・有名企業の名前やグループだと思われるものは登記できない
・株式会社が合同会社かを付けること
3.会社名(商号)決め方の注意点
・同じ会社名がインターネット上に存在しないかチェックする
・ドメインを取得することができるか
・商号(会社名)の調査
・商号が商標登録してあるか確認する
4.会社名(商号)ネーミングの事例
・個人事業主の屋号を引き継ぐ方法
・自分(創業者)の名前を社名にする
・好きな言葉を外国語にする
・業種や事業内容を社名にする
・サービス名や内容を社名にする
・地名を入れてみる
・造語を作成してみる
5.社名(屋号)を決定のポイント

 

1.もし、会社名(商号)を失敗したら

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もし、失敗した会社名を付けて商号をあとから変更する場合は以下のようなデメリットがあります。

  • 定款の変更(委託する場合費用がかかる)
  • 法人の銀行口座変更
  • 各行政機関に届出が必要になる
  • 会社ホームページの変更
  • ホームページのドメイン変更
  • 名刺や各種ロゴの変更
  • 取引先への変更のお知らせ

上記のような時間的にもコスト的にも変更にはデメリットが発生してしまいます。一般的な社名変更は様々な手間や費用がかさむことが多く、社名(商号)を変更は実用的ではありません。

そのため、当ページでは会社設立時に失敗しないための会社名(商号)の付け方について説明していきます。

 

 

2.商号のルールを知ろう

商号のルール

商号を付ける際にはルール(会社法)が存在します。それは使っては良い文字と使ってはいけない文字の規制がありますので、まずは理解しておきましょう。  

 

商号に利用できる文字について

商号に利用できる文字については以下の通りになります。

  • 漢字
  • ひらがな
  • カタカナ
  • ローマ字(大文字・小文字)
  • アラビア数字(1、2、3、4、5、6、7、8、9、0)
  • 使える記号:(&)(・)(.)(’)(,)(-)

上記の文字が商号で利用することが可能になっています。平成14年までは「ローマ字」「アラビア数字」「記号」は会社名(商号の登記)に利用することができませんでしたが、改正により利用することができるようになっています。 つまり、英語の会社名が出てきてまだ、あまり期間が立っていないということですね。

 

商号に利用できない文字について

  • 「銀行」、「労働金庫」、「信用金庫」、「学校」などの業種を示し法令で禁止されているもの
  • 「支店」「支社」や「人事部」、「経理部」、「●●部」などの文字
  • 公序良俗に反するもの(またはそれを連想されるもの)

この部分は付ける方はめったにいませんが、登記することができません。 公序良俗に反するものとしては、「株式会社詐欺」「合同会社売春・回春」などのものがここに当たります。  

 

同一住所に同じ社名がある場合も登記できない

会社法の改正により、同一住所のみ、同じ会社名(商号)がある場合は登記することはできません。住所が違えば同じ会社名でも登記することは可能ですが、近隣にある場合などはトラブルになる可能性が高いため、しっかりと調べておきましょう。

また、レンタルオフィスなどで登記する場合は、住所が同一住所となり、かつホームページなども作成していない場合もあるので、同じ会社名がないか確認することをお勧めします。  

 

有名企業の名前やグループだと思われるものは登記できない

誰が聞いても知っている実績がある企業名を付けることはできません。また、グループだと思わせるような社名も登録することはできません。

例えば以下がNG例です。

有名企業でNG 有名企業のグループだと思わせる企業
ソニー 株式会社ソニーグループ
トヨタ 株式会社トヨタ研究所
三菱 株式会社三菱グループ

上記のような有名企業やグループだと思わせるような社名を付けることはできないので注意しておきましょう。会社名(商号)を考えた際に時点でインターネット検索を行うのが一番手っ取り早いですね。

 

株式会社が合同会社かを付けること

特殊法人を設立する場合を除いて、決めた商号の前か後ろに株式会社または合同会社を付けなければなりません。

  • ●●●●株式会社
  • 株式会社●●●●

前株、後株どちらかを選択する必要があります。前株にするのか、後株にするのかは経営者(発起人)の好みで決めているケースがほとんどです。前株と後株についての詳細は「株式会社設立時の前株・後株の違いとメリットデメリット」を確認しておきましょう。

 

 

3.会社名(商号)決め方の注意点

会社名(商号)決め方

会社名(商号)を決める時の注意点は以下の通りです。

  • 同じ会社名がインターネット上に存在しないか
  • 検索しやすい単語にし、検索ボリュームもチェックする
  • ドメインを取得することができるか
  • 商号の調査も視野に入れる
  • 登記できても商号が利用できないケース

など、様々な注意点が存在します。1つ1つ説明をしていきますが、是非経営者自身がしっくりくる会社名(商号)を決めてみてください。  

 

同じ会社名がインターネット上に存在しないかチェックする

同じ会社名がインターネット上に存在

会社を運営する上で、企業のイメージは非常に大事なものになりますし、新しい取引先や人材を採用する際には必ずといっていいほどホームページが必要になります。「なぜ、同じ会社名がインターネット上に存在しないかチェックする」のかというと、以下のようなことを避けるためです。  

  • 同じ会社名が存在すると間違いが起きやすい
  • 同じ会社名があると、検索の上位表示がしにくくなり、埋もれてしまう

上記のようなデメリットが存在します。会社設立後に、「会社名の検索で上位表示ができない」などの問題が起きてきますので、なるべく現時点で存在しない会社名を付けることがおすすめです。

 

検索しやすい単語にし、検索ボリュームもチェックする

スタピを検索する

会社を設立したらホームページを作成する方が大半です。そのため、顧客や得意先に検索しやすい単語を心がけることも重要です。検索で簡単にページ数が出ますが、登録が必要ですが無料で利用できる「Googleキーワードプランナー」などを利用して検索ボリュームを確認してみてください。(キーワードプランナーでは月間1,000検索を超えてくると、通常のホームページ制作では難しくなりSEO対策と呼ばれる上位表示対策が必要となります。)

また、検索ボリュームをチェックする理由としては、競合がいた場合、なかなか会社のホームページが検索の上(1位)に上がってこない。などの問題が発生する場合があります。そのため、検索エンジンを活用して検索ボリュームをチェックすることは重要といえます。

難易度が高いビックキーワード(単語1種類)(例:保険)などはなかなか上位表示されませんので注意が必要です。

 

ドメインを取得することができるか

会社設立後、ほどんどの会社は自社ホームページの作成を行うと思います。その場合に、ドメイン(URL)の取得を行いますが、ドメインは世の中に1つしか存在しません。

つまり、「すでに利用されているドメインは利用することができない。」ということになります。会社名を付ける時に、ドメインが取得できるかどうかの確認をする必要がありますね。(ドメインは会社のホームページURLやメールアドレスとなります。)

さらに詳しくは「社名(商号)決定の前にドメイン(URL)が取得可能かチェックしよう」を確認してみてください。

 

商号(会社名)の調査

会社名を調査する方法は、先ほど説明したインターネットの検索を確認することと以下の2つの方法が存在します。

  • 本店所在地(会社を置く住所)の法務局へ行って調査する
  • インターネット上の登記情報提供サービスを利用する

少し以下で説明していきます。

 

法務局へ行って(調べて)調査する

本店所在地(会社を置く住所)の法務局へ行って「商号調査簿」を確認する方法と、法務省の「オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について」からインターネットで調べることも可能です。

商号の他に「キーワード」を利用して調査することも可能です。法務局へ出向く場合は、本店所在地(会社を置く住所)の法務局でしか確認できないので注意が必要です。

 

登記情報提供サービスを利用する

登記情報提供サ―ビス(http://www1.touki.or.jp/)「一般財団法人民事法務協会運営」は登記簿に記録されている情報を検索で確認することができます。有料のサービスですが、キーワード検索だけであれば費用は掛からないので活用してみてください。

法務局へ行くよりは手軽に探すことができます。

 

登記できても商号が利用できないケース

会社名として登記(会社設立)をすることはできても、つけた会社名(商号)が使えないケースが存在します。

  • 不正防止法によって使用できないケース
  • 商標登録してある場合

不正防止法では、著名な商号と同一であったり、間違い安い類似の商号を利用したりする行為(混合惹起(こんごうじゃき)行為)を禁止しています。そのため、有名企業や類似した商号は避けなければなりません。

 

商号が商標登録してあるか確認する

商標登録とは事業者が自社で扱う商品やサービスに対して、その他の商品や他社の商品と識別するために使用される数字や文字やマークを特許庁に登録するこを指し、商号とはまったくの別物になります。

そのため、登記は会社名で可能であったりしますが、他社で商標登録されているため、自社商品に表示することができません。また、知らなかった場合でも損害賠償を請求される対象となりえますので調べることが必要です。特許庁が運営している、特許情報プラットフォーム(J-Piatpat)で検索することができるので、不安な方はあらかじめ調べておきましょう。

会社設立時には自社のブランドを守るため、財産とするためにも費用は掛かりますが商標登録できるのであれば、行っていた方が良いといえます。商標登録の詳細については「初めての商標登録を行うための6つの知識」を確認してください。

 

 

4.会社名(商号)ネーミングの事例

会社名ネーミングの付け方

会社名のネーミングの作成方法は色々な方法があります。 すでに会社名が決まっている方はこの項目は不要で注意点だけ確認しておきましょう。また、会社名が決まらない方は以下の方法で考えてみてください。

 

個人事業主の屋号を引き継ぐ方法

  • (例)スタピ通信→株式会社スタピ通信

会社設立が法人成り(個人事業主から法人化)する方は、屋号をそのまま引き継ぐ方法があります。すでに営業活動を行っている場合には、特先の混乱を防ぐために引き継ぐ方が多いです。もちろん、別の会社名(商号)にしても問題ありません。

  • 紀伊國屋書店:創業者田辺氏が営んでいた薪炭問屋の屋号が「紀伊國屋」だった
  • 伊勢丹:創業者の養子に入った穀問屋の屋号「伊勢又」だった

上記が個人事業時代に屋号を引き継いだ有名企業ですね。

 

自分(創業者)の名前を社名にする

自分の名前を社名にする方法もあります。今では少なくなりましたが、以下大手企業も社名の由来は自分の名前のケースがあります。

  • 本田技研工業:創業者が本田宗一郎から
  • 松下電器:創業者が松下幸之助
  • よしもとクリエイティブ・エージェンシー:創業者の吉本せい氏に由来

有名な企業だけを見ると、なじみがあるため創業者の名前でもしっくりくる社名だと感じますね。

 

創業者の名前からひねった社名

  • サントリー:創業者が「鳥居さん」の呼び方を逆にしてサントリー
  • ブリヂストン:創業者の石橋正二郎から、ブリッジ(橋)・ストーン(石)からの造語
  • ジャパネットたかた:創業者の高田氏の名前と「日本をネットする」という意味
  • ホリプロ:創業者の堀威夫氏の名前が由来

ブリヂストンなどの社名の付け方は、創業者の名前が社名の由来だとは感じにくいですね。

 

創業者の名前を社名にする注意点

創業者の名前を社名にする場合の注意としては、従業員を雇った時に、自分の会社の誇りを持ってしょうかい出来る社名かどうかです。ただ、あなたが業界内などで有名人であれば、自分の名前を社名に入れることは効果的になります。

例えば、芸能人の神田うのさんなどは、自分がデザインするブランドを「uno」としています。昔の企業は創業者名前を社名にしていましたが、最近ではブランド力を考えて社名にするケースは少ないと言えるでしょう。

 

好きな言葉を外国語にする

  • アイフル:Affection「愛情」 Improvement「努力」 Faithfulness「誠実信頼」 Unity「調和結束」 Liveliness「活気」
  • アコム:Affection「愛情」、Confidence「信頼」、「Moderation」「節度」
  • アステラス製薬:ラテン語の「stella」、ギリシャ語の「aster」英語の「stellar」
  • HMVジャパン:His Master’s Voice
  • NTTドコモ:Do Communications Over The Mobile Network
  • りそな銀行:ラテン語の「Resona」(共鳴する、響き合う)

創業者が好きな言葉や、業界用語、また経営やサービスの理念にあたるような言葉を英語やフランス語、ラテン語にしたものが日本では多く社名としてつけられています。少しひねりを入れるために、頭文字をカタナカなどに変換すると独自の会社名ができますね。

一度、経営理念やこれから行うサービスなどの信念を外国語にして考えてみてください。

 

業種や事業内容を社名にする

  • アート引越センター:電話帳の一番上の「あ行」と芸術的な(アート)から
  • アサヒビール:日出ずる国から生まれたビール
  • 伊藤ハム:創業者の名前とハム
  • サッポロビール:創業者の発祥地から由来

「引っ越し」や「ビール」や「ハム」など業種や事業内容を社名にすることで、会社名を聞いただけで何をしている会社か想像がつきます。つまり、会社名を見ただけで何の会社かわかってもらえるメリットがあります。

 

サービス名や内容を社名にする

  • アスクル:「明日来る」から
  • クックパッド
  • LINE

サービス名や内容を社名にする企業の多くは、社名の変更を行っています。例えば、クックパッドなどは以前は「コイン」という会社名でしたし、LINEは「NHN Japan」が日本法人名でした。

サービスは市場に出てから価値が決まるケースが多いので、後から変更するケースがほとんどですね。これだと思えるサービスがあればすでに社名にしても良いのではないでしょうか。

 

地名を入れてみる

  • フジテレビジョン:日本の象徴が富士山から
  • 横浜ゴム:創業者の発祥地から
  • サッポロビール:創業者の発祥地から由来

社名ではありませんが、小室哲也さんが活動していた音楽バンド「TMネットワーク」のTMは(多摩)から来ています。創業者自身の地域に思い入れがある場合などは、活用しても良いかもしれません。

インターネットが発達した現代では、社名にそのままの地域名を入れてしまうと、地域を限定する行為に繋がるので注意したいですね。

 

造語を作成してみる

  • ファンケル:「ファイン」(fine)と「ケミカル」(chemical)の造語
  • カルピス:「カル」はカルシウム、「ピス」は仏教で最上の味を表す
  • カルビー:「カルシウム」と「ビタミン」から
  • セコム:セキュリティ(Security)とコミュニケーション(Communication)
  • 日清食品:「日々清らかに豊かな味をつくる」

社名で造語を作成するのは非常に難しいかもしれませんが、しっくりくる社名などが見つかれば、世界に1つだけの言葉が完成します。好きな日本の言葉をカタカナにしてみるなど、手軽な造語から考えても良いかもしれません。

英語と英語の組み合わせが造語として多いですね。

 

 

5.社名(屋号)を決定のポイント

決定のポイント

  • 覚えやすい会社名を心がける
  • 社名の由来が分かる、または伝えることができるものにする
  • 社名のインパクトも心がける
  • 業種に合った名前を付ける
  • 難しい言葉や単語はなるべく避ける
  • 発音や響きが良い名前にする

社名は後からでも、もちろん変更はできますが、現時点でのベストな会社名を選ぶ必要があります。

社名のポイントを確認して、自分がつけた社名を「(例)株式会社スタピ」のような形で声に出して言ってみてください。しっくりくるかどうかで考えていくのが重要です。

また、会社が大きくなればなるほど、「社名の由来」は聞かれてしまいます。そのため、社名の由来を伝えることができる会社名を考えるのも1つの方法ですね。

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会社設立の12つの準備項目

株式会社設立の準備

株式会社設立の準備項目は、定款の内容を決定していくことから始まります。専門家に相談しながら決めても可能ですし、自身でチェックして以下の項目を決めていけば、株式会社設立時の定款の作成時に役立ちます。株式会社設立の準備項目の詳細すべては「株式会社設立の準備」を確認してください。

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