2016.02.11

新規法人設立時の決算月・事業年度の5つの決め方

決算月・事業年度の決め方

法人設立を行う場合は決算月・事業年度をあらかじめ決める必要があります。

  • 決算月とは、会社の売上や損失を算出するための一定期間の区切りのこと
  • 事業年度とは、決算期から次の決算期までを事業年度と呼ぶ

法人の決算月は自由に決めることができますが、悩む経営者が多く、大手企業と同じように3月決算にする場合が非常に多いですが本当に正しい判断と言えるのでしょうか。 このページでは決算月の決め方に関する知識を提供しているページになります。

「明確に決算月はこの月が良い!」というものはありませんので、意思決定時の判断基準として利用してみてください。決算月の決め方の方法のポイントは以下の通りです。

決算月を決めるポイント

決算月の決め方のポイントは以下の通りとなります。詳しく確認していきましょう。

【目次】
1.そもそも決算月とは
・会社法人の決算月割合について
・税理士は3月決算を進めない?
・決算月は後から変更できる
2.税(消費税の免税期間)を考えて決算月を決める
・2期目も消費税の免税を受けれない会社
・2期目の消費税免税フローチャート
3.資金繰りを考えて決算月を決める
・会社から現金の支払いがあるときの例
・銀行対策も意識しておこう
4.会社の繁忙期は避けて決算月を決める
・棚卸がある場合は注意しよう
5.株主総会の開催日を定める
・定時株主総会とは?ルールも守ろう

 

1.そもそも決算月とは

決算月(決算期)とは、事業年度の区切りの最終月のこと言い、3月決算であれば、4月1日~3月31日までを事業年度としている形になります。また、決算月を3月にした場合に、決算書の提出期限は2ヶ月後の5月31日となります。(土日が入る場合は6月1日、6月2日が提出期限となります)  

法人の決算月は自由に決めることが可能で、設立時に決算月を決めたとしても、後で変更することも可能です。

 

会社法人の決算月割合について

一般的にどの月に決算月を置いている会社が多いのでしょうか。

  • 3月決算・・・20%
  • 9月決算・・・11%
  • 12月決算・・・10%
  • 6月決算・・・10%

(国税庁平成22年データ「決算別法人数」より)

上記のような割合となります。やはり3月決算が一番多く、さらには期の節目に決算月を置く会社が多いことが見受けられます。(繰り返しになりますが、いつ決算月としても良いのです。)

 

税理士は3月決算を進めない?

税理士に相談した場合には、「3月決算にしましょう!」と進める税理士はあまりいないと思います。その理由は以下の通りです。

  • どの企業も3月を決算月にするため決算書提出期限の4月、5月が忙しくなるため
  • 企業の節税対策時期と繁忙期が重なる(1月~3月は個人の確定申告業務で繁忙期を迎えるため)
  • 税理士事務所の安定収入が偏ってしまうため

税理士も自分たちの都合だけで決めていると訳ではありません、税理士が忙しいということはそれだけ企業に対する提案やフォローも閑散期に比べたらゆっくり話すことができないという傾向があります。(あくまで傾向なので、すべての税理士がそうではありません。)

その点は理解しておきましょう。 決算月はこれから記載する方法のいずれかで決める必要があります。それが、3月決算であれば、3月を決算月にしましょう。    

 

決算月は後から変更できる

決算月は後から変更も可能です。1度設立時に決めて頻繁に変更をすることは、おすすめいたしませんが、以下の手順で変更することが可能です。

  • 株主総会の決議(議事録)
  • 税務署への提出(移動届出書)

上記の内容で決算月を変更することができ、いつでも決算期の変更は可能になっております。(事業年度が1年を超えることはできません)

比較的簡単に変更できることから、節税対策によって変更する会社や、運営上、繁忙期と重なってしまった決算月にしている企業などが、後から変更するケースがあります。

会社設立後の決算月の変更は税理士・専門家等に相談してみることをお勧めします。

 

 

2.税(消費税の免税期間)を考えて決算月を決める

会社設立時の資本金の総額が1,000万円以下の場合には、株式会社の場合、設立から1期目と2期目は消費税の納税義務が免除されています。資本金についての詳細は「会社設立の資本金4つの決め方と適正金額」を確認しておきましょう。 

例えば、10月に新規法人設立した場合の決算月を3月にした場合は以下のような形となります。

1期目 10月1日~3月31日 6ヶ月間
2期目 4月1日~3月31日 12ヶ月間

上記のように、消費税免税期間は1期目と2期目になるので、実質免税できるのは2年ではなく、18ヶ月間となります。 10月に設立した場合には、10月決算にすると1期目、12ヶ月・2期目12ヶ月と2年間(2期)の免税を受けることができます

そのため会社設立日よりもっとも離れた月を決算月に決める方も多く、税金の観点からお伝えすると税理士もおすすめはしてくるはずです。

 

2期目も消費税の免税を受けれない会社

2期目も消費税免税を受けるためには、平成25年からの消費税法によりルールが一部変わりました。以下の条件にはいる会社は2期目の消費税免税は受けることができませんので注意してください。

  • 設立から6ヶ月間の売上が1,000万を超える場合
  • 設立から6ヶ月間の給与支払額が1,000万円を超える場合
  • 設立1期目が7ヶ月以上の場合、上記ルールが適用される

 少しややこしいですが、設立1期目が7ヶ月以下の場合は、設立6ヶ月間の売上・給与が1,000万円を超える場合の適用はないため、そもそも個人事業からの会社設立や売上を見越しての設立の場合は、1期目を7ヶ月以下にすると、消費税の免税期間が最大で1年7ヶ月の免税になります。以下の表でフローチャートをまとめていますので、確認してみてください。

 

2期目の消費税免税フローチャート

2期目の消費税免税フローチャート

2期目で消費税の免税の観点のみであれば上記のフローチャートの形で、決算月をから決めるのがおすすめです。売上は1,000万円以下に抑える必要はないと思いますが、6ヶ月間の給与に関しては、1,000万を超えないように下期の賞与で渡す、さらには月末締めの翌月払いにして、5ヶ月分の給与にする、など給与に関しては工夫しだいで1,000万円以下に抑えることが可能です。

消費税免税の決算月の詳細な相談については、税理士または専門家に相談することをお勧めします。

 

 

3.資金繰りを考えて決算月を決める

資金繰りを考えて決算月を決める場合は、会社に現金がある時期(決算期末より2ヶ月後)に決算月を決めます。例えば、5月頃に会社に現金が一番ある時期であれば、決算月を3月とします。そうすると、決算期末より2ヶ月後の5月末には税金を支払う必要があるので、資金繰りを考えた決算月の決定となります。

 

会社から現金の支払いがあるときの例

  • 決算日から2ヶ月以内:法人税・法人住民税
  • 決算月から6ヶ月経過した日から2ヶ月以内:法人税・法人住民税(中間納付)
  • 1月20日と7月10日:源泉所得税
  • 7月10日:労働保険及び雇用保険料
  • 従業員のボーナス

上記のような支払いが会社として現金で発生します。従業員を雇っている場合は、注意して資金繰りを考えて決算月を決めましょう。

 

銀行対策も意識しておこう

銀行から借り入れを考えている場合は銀行対策も少なからず意識しておきましょう。銀行融資のはじめの審査はやはり決算書を確認されます。季節での売上変動が大きい会社や、売掛金などの回収サイトが長い場合は、月によって見栄えが変わります。

そのため、2期分の決算書を提出する場合は、売上変動や回収サイトを確認することができますが、1期目のみの決算書を提出する場合は決算月によって見栄えが変わるはずです。

会社設立時に銀行対策も意識したいという方は、こちらも税理士や専門家に相談したほうが無難といえます。

 

 

4.会社の繁忙期は避けて決算月を決める

創業時は常に忙しい場合が多く、繁忙期という概念が少ない会社が多いですが、決算月から2ヶ月間は税理士等に依頼しているとはいえ、書類の整理に非常に時間を使うものです。仕事が一番売上が乗ってくる時期や、忙しいと思われる次期がある場合は、決算月にすると創業1年目は苦労します。

例えば、4月、5月に繁忙期になる場合は、3月決算にしてしまうと、4月~5月末までが決算準備期間となるため、繁忙期に加え書類整理に苦労するということです。 

 

棚卸がある場合は注意しよう

小売業や卸売業の場合には、棚卸に時間がとられてしまうケースがあります。商品在庫を多く抱える商売をしている場合は在庫が少ない月を決算月にした方が手間がかからないケースがあります。

繁忙期と同様に、閑散期に決算月を設定しましょう。

 

 

5.(定時)株主総会の開催日を定める

決算月が決まったら、会社設立の定款に株主総会の開催日程を決め記載しておく必要があります。記載内容は以下のような内容となります。

当社の定時株主総会は、毎月事業年度の末日の翌日から●ヶ月以内に招集し、臨時株主総会は、必要に応じて招集する。

上記のような形で定める必要があります。一般的には3ヶ月後の開催としておきましょう。(12月決算であれば、3月です。)

 

定時株主総会とは?ルールも守ろう

定時株主総会とは、事業年度の終了後に年1度必ず開催される株主総会のことをいいます。臨時株主総会は不定期に行われる場合の株主総会を指します。

  • 定時株主総会は事業年度終了の日から3ヶ月以内

上記のように決められています。

決算月の2ヶ月以内に法人の税務の申告及び消費税の申告をしなければならないため、3ヶ月後ぐらいの目安がちょうど良いことが分かります。

 

まとめ

決算月の4つの決め方についてご紹介してきました。創業時の会社の決算月を見ると、「消費税の免税」や「資金繰り」の観点から決算月を決める企業が多いです。「この月に決算月をしなければならない」などの縛りがない分、いつを決算月にするのかは選択する必要がありますね。

自身の会社にとってベストな決算月を選定してみてください。

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会社設立の12つの準備項目

株式会社設立の準備

株式会社設立の準備項目は、定款の内容を決定していくことから始まります。専門家に相談しながら決めても可能ですし、自身でチェックして以下の項目を決めていけば、株式会社設立時の定款の作成時に役立ちます。株式会社設立の準備項目の詳細すべては「株式会社設立の準備」を確認してください。

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