2016.01.20

会社設立の事業目的3つの決め方注意点

会社設立の事業目的3つの決め方注意点

会社設立を行う場合には、会社の目的つまり、事業目的を決める必要があります。 事業目的というのは、「その会社が何で利益を上げる会社なのか」ということを定款に記載し、これからどのような事業を行っていくのか外部に示す必要があります。

会社設立で重要な、事業目的の決め方と注意点について確認しておきましょう。

事業目的のポイント

【目次】
1.事業目的は「適法性」「営利性」「明確性」が必要
・事業目的決定のルール
2.事業目的以外の事業を行った場合はどうなるか?
・問題があるとしたらどんな時か
3.事業目的の決め方の注意点
・将来行う可能性がある事業や業務は入れておこう
・許認可申請が必要な事業は事業目的に注意する
・設立後の融資を希望する場合、事業目的には注意
・事業目的の最後に「前各号に附帯関連する一切の事業」と入れる

 

1.事業目的は「適法性」「営利性」「明確性」が必要

会社として行いたいことを何でも事業目的にすることはできません。「適法性」「営利性」「明確性」が会社の目的としては必要になります。

  • (適法性)公序良俗に反することは事業目的にできない
  • (営利性)ボランティア活動や寄付を目的にはできない
  • (明確性)誰が見ても分かるような目的でなくてはならない

大きく分けてこの3つのルールが存在します。適法性では、詐欺、脅迫まがいの事業目的や犯罪行為を目的にはできません。営利性では非営利な活動(お金儲けができない活動)を目的にはできません。最後に、明確性では、業界用語や新しい言葉などを目的とすることはできません

この「適法性」「営利性」「明確性」を守れば、どのような事業目的を付けても良いとされています。

 

事業目的決定のルール

  • 事業目的の数に制限はない
  • 事業目的は本業とは関係ない業務も入れることができる
  • ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字が利用できる
  • 公序良俗や強行法規に違反する目的は定められない

事業目的は選ぶのではなく「適法性」「営利性」「明確性」を守って入れば、自由に設定することが可能です。会社設立後にどのような事業をメインで行うかをまずは考えながら決めていきましょう。「商業・商取引」などの抽象的・包括的な目的を事業目的とすることも可能です。

許認可が必要な事業は、あらかじめ事業目的を明確にしておく必要もあります。また、弁護士・税理士業務に係わるような「弁護士業務」などの事業目的は弁護士法違反するため事業目的とできません。

※許認可が必要な事業の場合は認可が取れていなくても事業目的に入れておく必要があります。(事業目的としても問題ありません。)必ず事業目的には入れておきましょう。

 

 

2.事業目的以外の事業を行った場合はどうなるか?

会社設立時に作成する定款の効力ですが、株主総会はじめ取締役会、代表取締役その他会社の機関は定款に定められた事項に高速されることになります。そのため、定款に違反(従わない)行為をおこない結果的にその行為が損害を与えた場合には損害賠償責任を負うことになります。

事業目的の場合は定款に記載された事業目的以外の活動を行ったとしても、その事業目的を達成するための事業と認められるケースが普通です。その会社が定めた事業目的以外を会社として行ったとしても法律に触れていない限り、罰則などは特にありません。

 

問題があるとしたらどんな時か

罰則はないですが、もし事業目的以外の事業を行う場合の問題は以下の通りです。

  • 許認可事業の場合:あらかじめ許可(許認可)が必要な事業の場合は事業目的に記載がないと許可取得ができません。そのため、許認可が必要な事業を許可を取らずに行うと法に触れることになります。
  • 第三者に開示される:融資の際や新規の取引の際に第三者に会社の謄本を提出する場合があります。その時に売上を上げている事業が事業目的に記載していないと少し怪しさがあり警戒されてしまうことにもなりかねません。

もし定款に記載がない事業を行っている場合は、多少コスト(3万円+委託手数料)がかかりますが、タイミングを見て変更・追加を行っておきましょう。

 

 

3.事業目的の決め方の注意点

事業目的を決定するためのポイントは以下の通りです。

  • 将来行う可能性がある事業や業務は入れておく
  • 許認可申請が必要な事業は事業目的に注意する
  • 設立後の融資を希望する場合、事業目的には注意する
  • 「前各号に附帯関連する一切の事業」を事業目的に入れておく

事業を運営していく上で重要な事業目的の注意点になるので、確認をしておきましょう。

 

将来行う可能性がある事業や業務は入れておこう

将来会社で行うであろう事業や業務、また経営者自身が興味がある事業など、現在可能性があるものを事業目的には入れておきましょう。(あまり数が多いのはNGです)設立当初の事業目的は平均で5つ~10つ程度、多くて20つ程度ぐらいでしょう。

あまり入れすぎると、「この会社はいったい何をしている会社なのか」と、新しい取引先や金融機関や融資の審査を受ける場合にはマイナスになりかねません。

将来的に定款の事業目的を変更する場合は登録免許税3万円の費用が変更費用としてかかり、委託する場合は委託料もかかりますので注意しましょう。

 

許認可申請が必要な事業は事業目的に注意する

  • 許認可が必要な事業は必ず事業目的に入れる
  • 目的の記載内容や文言が決まっているものもある
  • 許認可が必要な事業はあらかじめ確認をする

許認可申請が必要な事業で会社設立をする場合には事業目的に事業内容を入れておく必要があります。

許可が必要な事業例 事業目的
建設許可 建築一式工事業などの業種名
運送業許可 一般貨物自動車運送事業
古物商許可 古物商・古物の売買業
宅建業免許の場合 宅地建物取引業
労働者派遣業許可 労働者派遣事業

 

許認可業種の一部ですが文言や記載内容が決まっているものもありるため、事前に監督官庁に確認の上、事業目的を定める必要があります。他の事業の会社設立より時間がかかることが予想されるので、注意しましょう。

 

設立後の融資を希望する場合、事業目的には注意

すでに会社設立後に金融機関から融資を考えている場合は事業目的には注意しましょう。事業計画書には記載がない事業が盛り込まれていたり、売上を上げる事業の事業目的がなかったりしてしまうと、マイナス評価の対象にもなりかねません。

一例ですが、銀行の審査担当者は事業目的の詳細も見ている可能性があります。物を販売していないのに「販売」もするかもしれないと軽い気持ちで事業目的に誰が見ても在庫を持って物販をしていることが分かる事業目的を入れたとします。その場合、審査担当者は在庫を抱えたビジネスを行っていると審査する場合もあるのです。また、飲食店を将来的に行いたいからといって「飲食業」を事業目的に入れた場合も、審査が通りにくい業種の1つでもあるので、事業を行っていない場合は避けるべきでしょう。

融資を考える場合は、行っていない事業はなるべく事業目的には入れない方が無難でしょう。

 

事業目的の最後に「前各号に附帯関連する一切の事業」と入れる

事業目的を記載した後に「前各号に附帯関連する一切の事業」といておくと事業範囲が広がります。(定款で記載していない事業でも(許認可事業は含まない)事実上可能なケースが多いです。)

そのため5つ~10つの事業目的を定めた最後に、必ず入れておきましょう。

これにより、法人設立後の法人銀行口座開設などの時に「事業目的から見る、事業の実態や将来性の質問」は回避できるでしょう。

 

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会社設立の12つの準備項目

株式会社設立の準備

株式会社設立の準備項目は、定款の内容を決定していくことから始まります。専門家に相談しながら決めても可能ですし、自身でチェックして以下の項目を決めていけば、株式会社設立時の定款の作成時に役立ちます。株式会社設立の準備項目の詳細すべては「株式会社設立の準備」を確認してください。

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