2016.06.10

現物出資 | 株式会社設立で資本金を金銭以外で出資するメリットと注意点

現物出資

株式会社を設立する際、発起人は、資本金として現金を銀行に振り込んで出資を行いますが、資本金は現金以外で出資することも可能です。資本金を金銭以外の財産で出資することを「現物出資」と言います。ここでは、現物出資についての方法と注意点についてまとめています。

【目次】
そもそも、現物出資とは?
 ―現物出資できるもの
現物出資のメリットとは
 ―資本金を大きくできる
 ―出資した現物を経費計上できる
現物出資を行う際の注意点(デメリット)とは
 ―現物出資の評価額は慎重に決めよう
 ―検査役の調査が不要な現物出資
 ―名義変更の手続きが必要な現物出資

 

そもそも、現物出資とは?

現物出資とは、会社を設立する際に、金銭以外の財産で出資することです。では、現物出資できる財産とは一体どんなものがあるのでしょうか。確認してみましょう。

 

現物出資できるもの

現物収支できるものは簡単に言うと「決算書に計上できるようなもの」と考えると良いでしょう。例えば、自己所有の不動産、有価証券、機械類、パソコン、自動車などが挙げられます。

現物出資できるもの 把握するもの
パソコン 年式とメーカー
年式と車種・メーカー
商品 サービスの内容・価値
売掛金 売掛金の金額
自己所有の不動産 不動産評価価格
市場価値のある有価証券 証券の価値
機械類 年式とメーカー
原材料 原材料の価値
商標権(知的財産) 知的財産の価値
営業権(知的財産) 知的財産の価値
その他知的財産 知的財産の価値

 

※一部の例になります。現物出資の確認は専門家(税理士・司法書士)に確認しましょう。

 

 

現物出資のメリットとは

なぜ、資本金の現物出資を行うのでしょうか。実は現物出資には2つの大きなメリットがあります。

 

資本金を大きくできる

現物出資のメリットとして、まず、第一に資本金を大きくできるというメリットがあります。資本金は、会社設立において信用力を対外的に示す1つの指標です。資本金が大きいということは、社外から見て、それだけ会社に余裕があると捉えられる場合が多くなっています。

例えば、発起人が手元に現金を50万円しか用意できない場合、自分が持っているパソコンや自動車を会社に提供し、残り50万を現物出資とすることで、資本金を100万にすることができます。

 

出資した現物を経費計上できる

現物出資のメリットとして、出資した現物を経費計上できるというメリットがあります。会社を設立した後には、毎年の決算において、法人税や法人地方税を支払うことになります。その際、会社設立時に行った現物出資については、減価償却という形で数年に分けて経費に計上することが可能です。

つまり、現物出資を行うことは、結果的に節税対策にもなっているのです。

 

 

現物出資を行う際の注意点(デメリット)とは

資本金を大きくでき、また、節税対策にもなる現物出資ですが、注意しなければならないことが幾つかあります。現物出資を行う前に確認しておきましょう。

 

現物出資の評価額は慎重に決めよう

現物出資の評価額、つまり、出資するものの価格をどう評価するかということが、現物出資の上で大変重要になってきます。なぜなら、出資する現物の価格を実際よりも過大に評価してしまうと、過大評価した分の資本金が不足し、発起人と設立時取締役は、不足している価格を連帯して支払う責任を負う事になるからです。そうならないようにするためにも、現物出資の評価額は慎重に決める必要があります。

特に、現物出資で多い、中古の機械類やパソコン、自動車などは価格を換算するのが難しいので、税理士などの専門家に相談して、評価額を決めることをお勧めします。

 

裁判所で選任された検査役の調査が必要

現物出資の客観的な評価を行う際には、裁判所で選任された検査役(弁護士が選ばれることが多い)の調査が必要とされています。しかし、裁判所の検査役に調査をしてもらうと、その分、費用と日数がかかってしまい負担も大きくなります。

現物出資を行う際には、そういったリスクがあることも確認しておきましょう。

 

検査役の調査が不要な現物出資

出資する金額が少額の場合や客観性のある証明書がある場合など一定の要件に該当すると、検査役の調査が不要で現物収支を行うことができます。検査役の調査が不要な現物出資は以下の要件です。

  • 現物出資財産額が500万円以下の場合
  • 市場価値のある有価証券であり、定款に定めた価格が市場価格を超えない場合
  • 定款に記載された価額が相当である旨を弁護士や税理士などの専門家から証明を受けた場合(不動産は不動産鑑定士の鑑定評価も必要)

 

名義変更の手続きが必要な現物出資

機械類など動産の現物出資は、会社に引渡しをすれば出資をしたことになりますが、不動産、自動車、有価証券などは、名義変更の手続きが必要となります。名義変更の手続きは、発起人全員の同意があれば、会社設立の登記が終わったあとに行っても構いませんが、もともと「登記事項証明書」が必要な名義変更手続きもあります。

 

まとめ

資本金は、会社設立時に会社の指標となる大切なものです。その資本金は現金での出資の他に、現金以外の財産の出資、現物出資が可能です。現物出資には、資本金を大きくでき、減価償却による節税対策ができるという大きな2つのメリットがありますが、現物出資の評価額を間違って過大に評価してしまうと、足りなくなった分の資本金を発起人と設立時取締役が負担しなければならなくなるので注意が必要です。

また、現物出資を行う際には、検査役の調査が不要なものを行うと、負担を減らすことができるため、検査役の調査が不要な現物出資の要件をしっかり確認しておきましょう。

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会社設立の12つの準備項目

株式会社設立の準備

株式会社設立の準備項目は、定款の内容を決定していくことから始まります。専門家に相談しながら決めても可能ですし、自身でチェックして以下の項目を決めていけば、株式会社設立時の定款の作成時に役立ちます。株式会社設立の準備項目の詳細すべては「株式会社設立の準備」を確認してください。

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