2016.03.15

社外取締役の活用で企業統治に変化を感じた上場企業が7割越え

社外取締役の活用で企業統治

株式会社大和総研ホールディングス(会社概要)が、昨年12月上旬から今年1月中旬に行った意識調査で、上場企業の約7割以上が、「社外取締役の選任や活用で企業統治が変化した」と答えたことが分かりました。

社外取締役の活用は、東京証券取引所が、2015年に導入した「コーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)」の重要な柱となっており、東証では、上場企業に対して、主要取引先の在籍者らを含まない独立した社外取締役を、少なくとも2人以上選任するようも求めています

2015年7月時点の東証のまとめでは、2人以上の独立した社外取締役を置いている東証1部上場企業が、5割近くに上り、年々、登用数は着実に増加しています。

今回の意識調査は、東証1部や2部などの上場企業のうち時価総額50億円以上の2484社を対象に実施されたものです。その中で、有効回答を行った187社の72%が、「社外取締役の選任や活用で企業統治が変化した」と回答し、「変化していない」の7%と、「どちらともいえない」の20%を大きく引き離しました。

企業統治の変化

「変化した」と答えた上場企業の多くが「経営方針や経営改善について有効な助言がなされるようになった」と答え、「社外取締役と共有する情報を充実した結果、取締役会の議論が活性化した」「取締役会で株主の視点をより意識した議論がなされるようになった」という声も聞かれました。

しかし、一方で、社外取締役が活躍する環境の整備が十分でないといった課題もあり、金融庁と東証の有識者会議は2月にまとめた意見書に、課題の解決に向けた取り組み例を盛り込みました。

 

社外取締役について

社外取締役とは、その名の通り社外にいながら取締役を務める人を指します(会社法)。社外取締役の主な役割は以下のような事が上げられます。

  • 第三者の立場から経営の確認
  • 社長の暴走を防ぐため
  • グローバル化に対応するため

上記のような理由で社外取締役を置いている会社が日本でも増えており、東証一部上場企業の約6割以上は社外取締役を導入しています。企業のグローバル化が進み、国際的なM&Aや海外投資が増えたため、アドバイスを受けるための社外取締役と言えるでしょう。

主に、役員・経営経験者や弁護士、会計士などが社外取締役に就任する場合が多いです。

 

海外よりは社外取締役導入が遅れている日本

海外では、日本より社外取締役導入が遅れています。

  • 米国:72%
  • ドイツ:68%
  • 日本:15%

(インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ2012年)

また、国会でも社外取締役の導入を企業の成長戦略の1つとして考えており、会社法改正案の中に、社外取締役導入を義務づける改正案も出てきています。

【スタピ編集部からのコメント】
「社外の取締役を置くことで、経営に好影響をもたらす」と上場企業の声が多く見られました。確かに、社内だけの経営に頼ると、偏った考え方での経営や、独裁的な経営、になりがちです。社外取締役を置くことで不正の防止、新たな視線から、経営を好転させるアドバイスを得る可能性があります。しかし、一方で、社外取締役が活躍する環境の整備が十分でなく、社外取締役を上手く活用できていないという課題が残るのが現状です。社外取締役の実力なども関わってくるとは思いますが、社外取締役の存在は、上場企業の経営を好転させ、また、改革を早める重要なものになってくる可能性が高いため、企業側は積極的に社外取締役の活動を行ってもらいたいです。

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