2016.03.03

商標権VS製造権販売権問題。大手2社が対立で不正競争防止法に基づく差し止め請求

大手2社がイソジンを巡って対立

米系の製薬会社、ムンディファーマ株式会社は、2016年2月26日、明治ホールディングスとグループ会社のMeiji Seika ファルマ株式会社に対して、不正競争防止法に基づく差し止め請求等を東京地裁に申し立てました。

今回の件は、うがい薬「イソジン」の包装デザインに使用されているカバのキャラクターを巡るものです。そもそも、イソジン自体はムンディファーマが開発元で、1961年からムンディファーマの提携先であった明治が、現在まで50年以上にわたり、国内での販売を行ってきました。

イソジンのカバくん
(画像引用元:イソジン公式サイトより

しかし、2016年の3月末でその提携関係が終了するため、4月からは、ムンディファーマと塩野義製薬の子会社、シオノギヘルスケア株式会社がイソジンの製造販売権を握り、今までと類似したカバのデザインのパッケージのまま、イソジンを販売します。

一方、明治は、独自で開発したうがい薬を発売する予定で、そのパッケージでも今までのイソジンで使用していたカバのキャラクターを使用する予定です。そのため、ムンディファーマが明治に対し不正競争防止法に基づく差し止め請求等を東京地裁に申し立てました

しかし、問題になっているカバのキャラクターについては、商標権は明治が握っており、通称「カバくん」としています。そのため、2016年2月9日に、明治もムンディファーマ株式会社とシオノギヘルスケア株式会社に対して「カバくん」を使用しないよう仮処分を東京地裁に申し立てていました。

イソジンの製造権販売権を握るムンディファーマ株式会社は、「薬の成分だけでなく、パッケージ全体がブランドだ」「似たパッケージで消費者を誤認させるおそれがある」と主張しているのに対し、「カバくん」の商標権は明治が持っており、引き続き使う方針としていると主張する明治と、両者は真っ向から対立する形になっており、「カバくん」を巡って法的に争う事態となっています。

【スタピ編集部からのコメント】
ムンディファーマが主張している「パッケージ全体がブランド」という点が論点になってくるでしょう。また、「カバくん」の商標権は明治にあるという点では、この争いはムンディファーマ株式会社の方がやや厳しい戦いになるのではないかと感じます。(主観です。)

企業が商標権を持つキャラクターについては、企業イメージやブランド力もあり、知的財産となってくるので、

50年以上も提携していたため予想もつかなかった自体だと思われますが、会社を設立し、運営を行っていく上で提携を行う際はこのような権利についても話し合い書面(契約)に残しておく必要がありそうです。

 

製造販売権について

製造販売権とは、他の企業が扱う商品又はサービスを、その企業に代わって、製造・販売する権利を言います。

今回の場合は、製造権販売権を握るムンディファーマ株式会社は、「薬の成分だけでなく、パッケージ全体がブランドだ」と主張し、販売権・製造権を主張しているわけです。

 

商標権について

一方、明治ホールディングスは製造販売権ではなく、商標権について主張しています。

商標権とは、自社の商品と他社の商品などを区別するために、文字・図形・企業・色彩などの結合体を独占的に試用することができる権利です。(知的財産権のひとつとなります)(商標法2条1項)。

商標権を主張するためには、特許庁に出願・登録することで商標権となり、一般的には商標登録といいます。

商標登録とは、商標登録願いを特許庁に提出し、審査に合格した商標が原薄に登録される事です。また、登録された商標を登録商標(トレードマーク)といいます。登録商標は、その登録者の知的財産権とされ保護されます。日本で登録された商標は、日本国内で商標権者のみが使用可能となっています。

お互いの主張があるだけに、難しい問題ではないでしょうか。会社設立を行う場合でも商標登録は自社を守る重要な知的財産権となります。詳しくは「初めての商標登録を行うための6つの知識」を確認してください。

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