2016.02.10

初めての商標登録を行うための6つの知識

初めての商標登録

会社の設立時に社名(商号)を決める場合に注意しなければならない項目の1つに商標登録があります。そもそも商標登録とは何なのか、商標登録のメリット、デメリット、などを紹介しています。会社設立時に商標登録を考えている方や知識として確認しておきたい方は確認してみてください。

【目次】
1.商標登録とは
・自社の会社名(商号)が他社で商標登録してある場合
・商標登録を行うタイミングについて
2.商標登録を行うメリット
・お客さまの信頼が得られる
・自己ブランドの確立と保護ができる
・知的財産権を得ることができる
・資金調達の際、有利になる可能性がある
3.商標登録のデメリットとは
・商標登録には費用がかかる
・登録が承認されるまでに時間がかかる
4.商標登録の種類について
5.商標登録できない商標ってあるの
6.商標登録の出願方法について
・商標登録までの流れ
・自分で商標登録を行う場合のメリット・デメリット
・特許事務所・弁理士に代行してもらう場合メリット・デメリット

 

1.商標登録とは

商標とは、事業者が自己の取り扱う商品やサービスを他人の商品やサービスと区別するために使用している、文字、図形、記号、もしくは立体的形状、もしくはこれらを結合したもの、またはこれらと色彩との結合のことです(商標法2条1項)。

商標登録とは、商標登録願いを特許庁に提出し、審査に合格した商標が原薄に登録される事です。また、登録された商標を登録商標(トレードマーク)といいます。登録商標は、その登録者の知的財産権とされ保護されます。日本で登録された商標は、日本国内で商標権者のみが使用可能となっています。

 

 

自社の会社名(商号)が他社で商標登録してある場合

商標登録は会社設立の際に定款に記載する会社名(商号)とはまったく別物になります。

そのため、他の会社が自社と同じ会社名(商号)で商標登録している場合、登記(会社名(商号)としての申請)は可能ですが、自社商品に表示することができないなどのトラブルが発生します。また、知らずに利用しても損害賠償を請求される対象となりえます。特許庁が運営している、特許情報プラットフォーム(J-Piatpat)で検索することができるので、不安な方はあらかじめ調べておきましょう。

 

商標登録を行うタイミングについて

商標登録は、特許庁から認定を受けるまで平均で4~5ヶ月程度かかるため、既に使用する商標や発売前の商品やサービスが決まっているのであれば、他人が商標登録を行う前にできるだけ早く商標登録を行っておくことをオススメします。

設立前でも、発売前でも、登録費用は発生するので注意が必要です。また、実費の他に商標登録を委託する場合の専門家は「弁理士(べんりし)」となります。特許出願の手数料ということで、15,000円~30,000円前後手数料として費用が掛かるのが一般的です。(もちろん自分でも行うことが可能です。)

 

商標登録の区分を知っておこう

商標登録に使われる「区分」とは、条約で45区分に分かれてる国際分類を指します。第1類~第34類までが商品区分となり、第35類~45類が役務区分(サービス)となります。

弁理士などを利用する際に「1区分」、「2区分」と料金表示でわかれています。

  • ソフトウエアの開発(42類)
  • かばん・財布・革製品(18類)

例えば上記区分で商標登録する場合は、区分が違うため、2区分になります。そのため2区分の(弁理士等の)手数料がかかり料金が高くなります。

 

 

2.商標登録を行うメリット

  • お客さまの信頼が得られる
  • 自己ブランドの確立と保護ができる
  • 知的財産権を得ることができる
  • 資金調達の際に有利になる可能性がある

商標登録を行うことで、上記のようなメリットがあります。4つのメリットに対して詳細に以下で説明していきます。

 

お客さまの信頼が得られる

  • 登録商標は国が認めた権利である
  • お客様の混乱を防ぐ社会的役割を担う

登録商標は国が認めた権利であるとともに、その商品やサービスの提供者が明確になります。また、商標登録はお金もかかるので、商品やサービスに関して、真剣に取り組んでいる、または自信を持っているというアピールに繋がります。そのため、お客様が商品を購入する際や、サービスを利用する際に、信頼度が増す有利な材料となります。

また、お客様の混乱を防ぐ社会的役割も担います。同一・類似した商標がいくつかあると、お客様が混乱してしまう場合があります。お客様が安心して、商品やサービスを利用できるようにといった社会的役割も、商標登録にはあります。

 

自己ブランドの確立と保護ができる

  • 商標登録をすると商標を独占的に使用できる
  • 商標登録は早い者勝ち
  • 自社(自己)の誇りにつながる

自己の登録商標は、他人が自己の商品やサービスと同一や類似のものを使用している際に、使用差し止めを行うことがでます。(商標登録をすると商標を独占的に使用できる。)また、他人が、自己の信頼が損なわれる行為や自己に許可なく登録商標を利用して利益を得ている場合は損害賠償請求をすることができます。

独占的に使用できる商標ですが、登録商標は早いもの勝ちなので、自己が持つ登録商標については、他人から商標の使用を差し止めされることや、損害賠償を請求されることはできず、商標の権利侵害になる恐れが無くなります。そのため、商標登録を行うことで自己のブランドの確立や保護をすることができます。

また、ブランドが確立、保護されることは、事業者や従業員が、自己や自社の商品やサービスに誇りをもって働くきっかけにもつながるといえます。

 

知的財産権を得ることができる

  • 登録商標は知的財産権である
  • 譲渡やライセンス契約(使用許諾)が出来る

登録商標は、「商標権」という知的財産権でもあり、「商標権」は更新を行うことで、半永久的に独占使用の権利が守られます

また、「商標権」は譲渡やライセンス契約(使用許諾)が出来るため、ブランド価値のある商標になると、その使用を希望する事業者が増え、使用許諾料が高額になる場合や、高額な金額で売買される場合があり、対価を得ることができます。つまり、登録商標は1つの財産といえます。

 

資金調達の際、有利になる可能性がある

会社設立を行い新規で事業を始める際の資金調達では、商標権に一定の価値があるのかを判断するためにその事業が商標登録をされているか確認されることが増えます。商標登録が行われている商標については、経営に対する態度も高く評価される場合が多くなっており、資金調達に有利になる可能性があるといえます。

 

 

3.商標登録のデメリットとは

商標登録を行うことは、メリットばかりのように思われますが、デメリットもあります。商標登録が本当に必要な商品やサービスであるのか考えてみましょう。

 

商標登録には費用がかかる

商標登録には費用発生し、申請時に商標出願料(商標登録出願書類に貼付ける特許印紙代)がかかります。1区分の場合12,000円。次に、出願した商標が特許庁から認められた場合に商標登録料を支払います。5年分と10年分から選択でき、1区分で5年分の場合21,900円となります。さらに更新を行う場合にも、更新登録申請料がかかり、1区分で5年分の場合、28,300円となります。

主な費用は以下の方法で算出されます。

商標出願料 商標登録料 更新登録申請料
3,400円

(8,600円×区分数)
37,600円×区分数
(10年分)
(分納21,900円・・・5年分)
48,500円×区分数
(10年分)
(分納28,300円・・・5年分)

 

例えば1区分で商標を出願し、10年間とした場合には以下の計算となります。

  • 3,400円+(8,600円×1区分)+37,600円×1区分=49,600円

(※弁理士などに依頼する場合はさらに手数料が、かかります。)

これらの費用は支払期間などが決められているため、しっかり確認しておく必要があり、支払期間にこれらの費用が支払われなかった場合は、商標権が認められない場合や、失効される場合があるので注意が必要です。本当に商標登録が必要かどうかも見極めて出願するべきですね。

 

登録が承認されるまでに時間がかかる

特許庁に商標登録願を申請してから商標登録が決定するまでの期間は、平均4~5ヶ月程となっています。期間限定や短期間のみの商品やサービスであれば商標登録する必要があるか考えた方が良いでしょう。

 

 

4.商標登録の種類について

種類 詳細
文字商標 文字のみからなる商標のこと。ひらがな・カタカナ・漢字・ローマ字・数字など。
図形商標 写実的なものから図案化したもの、幾何学的模様等の図形のみから構成される商標のこと。
ロゴマーク、キャラクターをデザインしたイラストなど。
記号商標 文字やローマ字を図案化した商標。のれん記号など。
立体商標 立体的形状からなる商標のこと。
キャラクターの彫像や立体看板、マークが入った特殊形状の容器など。
結合商標 異なる意味合いを持つ文字と文字を組み合わせた商標。
または文字、図形、記号、立体的形状の二つ以上を組み合わせた商標のこと。
動き商標 文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標。
テレビやコンピューター画面等に映し出される変化する文字や図形など。
ホログラム
商標
文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標。
見る角度によって変化して見える文字や図形など。
色彩のみから
なる商標
単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標。
これまでの図形等と色彩が結合したものではない商標。
商品の包装紙や広告用の看板に使用される色彩など。
音商標 音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標。
CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音など。
位置商標 文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標。

 

商標には11種類の商標タイプがあります。上記は現在、特許庁で認められている商標のタイプとその定義です。2015年4月1日より、動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標の5つの商標タイプが追加され、商標登録をする人が増えています。

 

 

5.商標登録できない商標ってあるの

商標には商標登録できないものもあります。主に以下にあげる3つの商標については商標登録ができない商標です。商標を考える前に確認しておきましょう。

  • 自己と他人の商品・役務を区別することができないもの(商標法第3条)
  • 公共の機関の標章と紛らわしい等公益性に反するもの
  • 他人の登録商標又は周知・著名商標等と紛らわしいもの

詳しくは特許庁のホームページ(特許庁出願しても登録にならない商標)を確認しましょう。

 

 

6.商標登録の出願方法について

商標登録は大まかに2つのやり方があります。

  • 自分自身で行う方法
  • 特許事務所・弁理士に代行してもらう方法

初めに商標登録の大まかな流れを確認し、自分自身で行う、メリット・デメリット、特許事務所・弁理士に依頼するメリット・デメリットを考えてみましょう。

 

商標登録までの流れ

  1. 出願する商標を決める
  2. 似た商標がすでに登録されてないか確認する
  3. 商標登録に必要な書類の作成
  4. 商標登録願を郵送する
  5. 商標登録出願番号の通知
  6. 登録料を納付する

上記のような流れで進みます。繰り返しになりますが、商標登録願の郵送から商標登録が決定するまでの期間は、平均4~5ヶ月程と長いため、商標登録をするなら早めに動くことが重要です。

 

自分で商標登録を行う場合のメリット・デメリット

  • (メリット)専門家への手数料費用の節約ができる
  • (デメリット)手続きに時間と労力がかかる
  • (デメリット)特許庁から出願が拒絶された場合の対応が困難

自分で行う場合はデメリットの方が多くなります。費用を極力かけたくない場合は自分で行うことをお勧めします。

 

特許事務所・弁理士に代行してもらう場合メリット・デメリット

  • (メリット)出願前に、申請が拒絶されないか判断を仰げる
  • (メリット)拒絶された場合も最善の方法で対応依頼できる
  • (メリット)出願を代行のため、期間を短縮できる
  • (メリット)類似商標の有無も調査を行ってくれる
  • (メリット)登録後もサポートしてくれる特許事務所もある
  • (デメリット)代行手数料が費用がかかる

特許事務所や弁理士などに代行してもらう手数料のみデメリットとなります。地域や事務所等によっても代行手数料は大きく違いますが、1区分15,000円~30,000円前後手数料+申請料になります。(※もっと代行費用が安い場合もあります。)この金額であれば任せた方が無難ともいえます。

 

まとめ

会社設立時に商標を登録することは、会社のブランドを守り、確立する第1歩となります。また価値を高めていくことで知的財産として大きな役割をもちます。登録する際にはさまざまな手続きや費用が必要となりますが、自分の会社や事業、商品、サービスを守るために商標登録が必要かどうかを判断することはとても重要です。

また、会社設立時に会社名(商号)を付ける場合には、登記は行えても、他社が商標登録してある場合には、サービス名などとして使えないケースもあります。会社名(商号)を考える場合も商号登録調査は必要になりますので注意してください。

会社名(商号)に関しては「失敗しない会社名(商号)の5つの付け方と決め方」を確認しながら注意点を守り会社設立を行いましょう。

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