2016.02.24

芸能人から学ぶ会社設立の裏側とその理由

芸能人から学ぶ会社設立の裏側

芸能人の中には、芸能の仕事だけでなく、自ら会社を設立、経営している方も多くいます。その中でも、特に多く見られるのが、飲食店や洋服ブランドの設立、経営です。実際に、町で利用しているお店が、芸能人の経営するお店だったということも少なくありません。

多くの稼いでいる芸能人が経営を行っているわけではありませんが、それでもな会社設立を行っている芸能人をご存じでしょうか。

例えば年に1度、長者番付というのが発表されます。長者番付とは、その年に最も稼いだ人のランキングではなく、その年に最も税金を納めた人のランキングになっています。しかし、長者番付の10位以内には、乗っていてもおかしくないような超有名芸能人が乗ってない場合があります

つまり、たくさん稼いでいるにもかかわらず、税金をあまり払っていないことになります。その部分に芸能人と会社設立の関係性があります。芸能人から学ぶ会社設立の裏側を確認していきましょう。

 

芸能人はほとんどが個人事業主

個人事業主

芸能人は一握りの人を除いて、ほとんどが個人事業主(フリーランス)であることはご存じでしょうか。すべての芸能人が仕事を貰うために芸能事務所に所属していますが、芸能事務所への所属は契約となります。

  • 芸能事務所に所属=専属マネジメント契約(委託契約)

上記のような委託契約になるため、原則完全歩合給制で売れたら売れた分だけ収入が上がる仕組みになっています。良く一発屋の芸人が月の給与がピーク時は何百万とテレビで伝えているのは完全歩合給制だからですね。

そのため、税法や労働基準法上では「事業所得者(個人事業主)」に当たります。

 

 

テレビに良く出ている人は給与が必ず高いか?

近年、芸能人としてバイトなどせずに取り組んでほしいためや、売れる自信がる人材などに対しては固定給の芸能事務所も増えていますが、その場合はいくら仕事が忙しくても会社の規定に沿った昇給しかしないので、売れても収入は上がらないというデメリットがあります。

そのため「テレビに良く出ている人=給与が高い」というわけではありませんね。また委託契約の際に、最低の固定給を渡している芸能事務所も存在します。

 

芸能人のほとんどは確定申告をしている

以前、植毛で脱税疑惑が出て税務調査が入った芸能人がいましたね。あれは、個人事業主として確定申告を行っているからです。では、なぜ経費で大きな金額を計上したがるのでしょうか。

それは、個人事業主である芸能人に経費として計上できるものが、交際費(飲食代)程度しかないからです。そのため、繁盛に売れてきた芸能人は会社設立する傾向があります。(高級な時計等を強制的に買わされる番組がありましたが、税理士に聞いても経費で落ちないと言っていましたね。)

 

売れ始めると会社設立をする傾向がある

売れ始めると会社設立をする

会社を立ち上げる芸能人の中には、テレビで頻繁に見る芸能人もいます。これだけテレビに出ていれば、他に副業しなくてもいいのでは。と思われがちですが、売れ始めた芸人ほど、会社を設立する傾向にあります。また、売れ始めると、事務所に所属せず、個人で事務所を設立する芸能人も増えるのです。

会社を設立する芸能人には、自身の会社を経営したいという思いのほかに、会社を設立する理由があります。

 

 

会社設立(法人化)は節税対策

事務所に所属する芸能人の場合、所属の芸能事務所からもらった給与にそのまま住民税と所得税がかかります。しかし、会社を設立すると、給与をいったん会社の収入とすることができます。

そのため、会社の財産として、さまざまな経費を計上することができ、うまく活用すれば、かなりの節税になります。また、家族を役員にするなどして、家族に所得を分配することもできます。日本の場合、所得税が多いほど税率が上がるため、芸能人の多くは、売れてきて所得が増えると、会社を設立する場合が多くなっています。

 

個人の税金と法人の税金の違い

税金の違い

個人の税金と法人の税金はどのように違うのでしょうか。住民税等は考えずに、個人の税金である所得税と法人の税金である法人税の違いを見てみましょう。

 

課税の方法の違い

  個人事業主(多くの芸能人) 法人(一部の売れている芸能人)
課税方法 累進課税 原則一定税率

 

累進課税とは、所得(売上から経費を引いた残りの額)が高ければ高いほど、多くの税金がかかります。一定税率とは、いくら売上や利益が高くても、かかる税率は一定ということになります。

 

個人事業主の税率(多くの芸能人)

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円超から330万円以下 10%
330万円超から695万円以下 20%
659万円超から900万円以下 23%
900万円超から1,800万円以下 33%
1,800万円超 40%

 

 例えば芸能人で月の収入が120万円あったとします。年間1,440万円です。月の半分(60万円)を経費として使っていたとしたら、720万円が経費となり、所得は残りの720万円が所得となります。

そうすると、所得720万円×23%=1,656,000円の所得税額となります。では、今の年収で会社設立(法人化) したらどのような形になるでしょうか。

 

法人(一部の売れている芸能人)

区分 条件 法人税の税率
中小法人 所得金額800万円以下の部分 19%
所得金額800万円以上の部分 25.5%

 

先ほどの計算と同じように、 年間1,440万円売上で、月の半分(60万円)を経費としたときには、以下の計算になります。

所得720万円×19%=1,368,000円

こちらは一例になりますが、稼げば稼ぐほど、法人化したほうが税金の面では特になるわけです。また、自分の給与も一度法人に売上としていらた後、経費になるので、個人として60万円を月使っていたとしたら、プラス自分が貰う給与も経費となります。

 

給与の貰い方がこう変わる

  個人事業主(多くの芸能人) 法人(一部の売れている芸能人)
芸能事務所から 個人事業として給与でもらう 法人企業として法人の売上となる
交際費(経費等) 個人のお財布から払う 法人として経費として払う
給与 個人で貰うので
経費とならない
法人の経費となる
自分で必要な金額を決めて
役員報酬でもらう

 

上記のような形で、給与を貰います。交際費や経費がすべて法人が払うため、自分の生活資金を給与にするだけで、生活水準は変わりません。だからこそ、多く稼ぐ芸能人は会社設立を行い法人化している人が多いのです。

 

まとめ

芸能人が会社設立を行う理由はいかがだったでしょうか。様々な理由で個人事業主から法人化を検討する方もいらっしゃると思いますが、すでに個人事業主として、大きな所得があるのであれば法人化したほうがお得と言えるでしょう。

また、他のメリットや会社設立のでメリットなどもあるので以下を確認してみてください

また、芸能人の会社設立であれば、株式会社でなくとも、合同会社で十分になります。その理由は「合同会社(LLC)を設立を決めた理由とは」で確認してみてください。

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