2016.02.08

会社設立(法人化)の9つのデメリットは設立前に知っておこう

会社設立(法人化)のデメリット

会社設立(法人化)のデメリットについて説明していきます。現在、会社設立か個人事業(フリーランス)、どちらか悩んでいる方、または個人事業を営んでおり、法人成りを検討している個人事業主の方は確認してみてください。

 

1.会社設立に費用がかかる(コスト)

会社設立を行う場合には、登記費用等が発生します。一般的な会社設立であれば以下の通りです。

  • 株式会社設立:実費約24万円
  • 合同会社:実費約12万円

また、上記と合わせて資本金というまとまったお金を用意・調達する必要が出てきます。(会社の経費として利用できます。また1円株式なども可能ですが、信用力の観点からやはりまとまった資金が必要です。)

個人事業(フリーランス)であれば、開業届を提出するだけで事業が開始できる点から見て、会社設立時から多くのコストがかかると考えておきましょう。一般的な法人である株式会社のコストについての詳細は「株式会社設立でかかる全費用について」を確認してください。

 

会社を廃止する場合も費用がかかる(コスト)

  • 解散登記:30,000円
  • 清算結了登記:2,000円

解散登記とは、会社をたたむ(閉める)ための手続きををする登記。未払い金の回収や借入金の返済等を行っていきます。株式会社等の場合、解散して清算手続中の会社のことを清算株式会社といいます。また、清算結了登記とは、清算結了する場合の登記になります。

こちらも、個人事業主と違い、廃止する手続きにも費用が発生します。

 

 

2.会社の利益がなくても(赤字でも)税金がかかる

個人事業主の場合は、所得(売上から経費を引いたもの)がなければ、所得税はかかりませんが、法人の場合以下の法人住民税が発生します。

  • 法人都道府県民税均等割:約20,000円
  • 法人市町村民税均等割:約50,000円

法人所得の場合は赤字であっても住民税の均等割りで上記の額7万円程度税金が発生します。(本店所在地により異なります。)

 

 

3.個人事業に比べ日常経費が増加する(コスト)

会社設立を行ったらわかることですが、個人より法人契約が高く設定されているサービスが多いです。例えば以下のような内容です。

  • 固定電話の料金
  • 不動産契約(オフィスや店舗)
  • 自動車保険料
  • 法人の銀行口座の維持費や手数料
  • 税理士顧問料

もちろん法人契約で安くなるサービスや商品もありますが、基本的には値上がりします。個人事業ですでに税理士を雇っている場合は法人成りしたら、顧問料が確実に上がります。(処理の難易度が上がるという理由もあります)

 

 

4.会計処理が繁雑で困難なる(手間・コスト)

法人申告の会計処理を自社(自分)で行おうとすると、個人事業主のように簡単にはいきません。確実に会計の知識を必要としますし、会計ソフトも個人のように簡単ではありません。

そのため、会計処理を税理士・会計士事務所に委託する形となり、個人事業では年末から年始に自分で確定申告してコスト0円だったものが、費用が基本的には税理士費用が月々の税務顧問料プラス決算期に決算料などがかかります。

 

 

5.個人事業より事務負担は増える

  • 届出を出す書類の増加
  • 銀行に行く回数が増える
  • 会計処理、または提出書類の増加
  • 契約書の作成や保管

個人事業に比べると法人の場合は届出を出す書類が間違いなく増加します。また、納税などが様々発生し、銀行に行く回数も増えます。個人事業でも契約書は必要ですが、法人として「契約書がない」ことを許してくれる企業は少ないでしょう。

そのため、事務負担は確実に増加します。

 

 

6.社会保険料・労働保険の加入が義務(コスト)

会社設立を行い法人化が完了すると社会保険への加入が義務づけられています。社会保険とは以下のことをいいます。

  • 労災保険
  • 雇用保険
  • 健康保険
  • 厚生年金

これら4つ合わせて社会保険といいます。1つ1つ加入する条件や義務が違うため注意しましょう。

社会保険は会社と従業員で折半して支払うため、従業員からしたら保険料負担(国民健康保険と国民年金)は安くなるのですが、会社としてはコストになります。経営者を含めた従業員の給与によって高くなっていく仕組みになります。

 

 

7.経費の交際費に制限がある

会社設立後に使った経費は会社の経費として計上しますが、経費の中でも「交際費」という部分には制限が存在ます。交際費とは以下のような費用を指します。

  • 飲食代
  • ゴルフや旅行などの時に払う飲食代
  • 贈答品

交際費とは、事業に関する取引先・見込み客への接待や贈り物などに支払う費用のことを指します。個人事業主の場合であれば、交際費に上限はありませんが、人の場合は年間の交際費限度額が800万円となります。(平成25年4月の改正より)

起業したての法人企業の場合は交際費限度額は問題ありませんが、月66万円の交際費を超えると損金不算入(経費として計上することができなくなります。)そのため、大手企業の場合は使える交際費に制限があったりするわけです。

 

 

8.法人の資金・資産は勝手に利用できない

個人事業主の場合は個人の財布と法人の財布が一緒になっているケースが多もあり、個人で稼いだお金は自由に使うことができます。

法人化した場合には全くの別になり、「個人の財産」と「法人の財産」は明確に区分されます。会社からお金を個人的に引き出す場合は、会社から借りたという処理をしなければなりませんし、厳密には借用書(金銭消費貸借契約書)を書いたり、貸し付けに対して金利を取ったりする必要があります。

 

 

9.税務調査のリスクが増加する

税務調査とは、税務署(行政機関)が納税者、または企業に対し申告内容を帳簿で確認を行い、誤りがあれば是正を求める一連の作業・調査のことを言います。昔テレビで見た「マルサ」とは、東京国税局査察部のことを指し、通常の通常の査察活動では摘発出来ない複雑かつ巧妙な脱税を暴くことを目的としています。税務調査とは違いますので、注意しましょう。

この税務調査に関しては、個人事業主では法人企業に比べると調査の回数や頻度が明らかに少なくなります。法人企業は3年に1度程度といわれています

税務調査に入られると、行政機関は経費と認められない項目を探し出して否認し、再度税金の見直しを行い税を徴収することがが目的です。そのため、税務調査になった場合、税理士が対応していても少なからず税金の見直しが入るケースがほとんどです。そのため個人事業主に比べるとリスクが多くなるという点でデメリットです。

 

 

まとめ

さすがにデメリットだけを確認すると「会社設立を行って良いことがないのでは?」と思ってしまいますよね。そんなことはありません。法人化することで、大きなメリットもあるのです。個人と法人で簡単に比較をしてみました。

法人と個人事業主を比較

項目 個人事業主 法人企業
信用力 低い 高い
資金調達 行いにくい 行いやすい
税率 累進課税
(最大40%)
一定
(19%~22.5%)
出資を受ける場合 贈与税(課税) 資本金(非課税)
役員の給与 経費にできない 経費になる
退職金 支給できない 支給できる
交際費の制限 なし 年間800万円
生命保険 控除になり節税効果低 全額経費の対象
赤字の繰越 3年(青色申告の場合) 9年(29年4月1日から10年に変更)
赤字の場合の税金 所得税はなし 法人住民税で約7万円かかる
解散の手続き 書類のみ 解散登記等が必要
(費用がかかる)
決算について 12月決算 自由に設定できる
設立コスト なし あり(株式会社で約24万円)
会計処理 簡易な処理でも可能
(個人でも簡単)
厳密な処理が必要
(税理士が必要な場合が多い)
社会保険等 負担なし
(従業員5人未満の場合)
1人からでも会社負担

 

会社設立を行う場合のメリットは「会社設立するメリットとは?知っておきたい8つのポイント」を確認してください。会社設立を行う場合はメリットだけに目が行きがちですが、必ずデメリットも理解しておき準備と心構えをしておきましょう。

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